[[index.html|醒睡笑]] 巻8 かすり
====== 2 正寿庵といふ坊主のもとへはや斎出で来て候ふ・・・ ======
===== 校訂本文 =====
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正寿庵(しやうじゆあん)といふ坊主のもとへ、「はや斎(とき)出で来て候ふ。とくわたらせ給へ」と、中間(ちうげん)を使(つかひ)につかはす。かの使行きて、門より、「しやうじわん、しやうじわん((「しやうじゆあん」の訛り。「請じ椀」に聞こえた。「しやうじわん」は底本「かうやうしわん」。諸本により訂正。))」と呼びければ、坊主、をかしきことに思ひ、「いや、づすづす((留守・豆子か。豆子は 漆塗りの木椀。))」とぞ答へける。
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===== 翻刻 =====
一 正寿庵といふ坊主のもとへはや斎出来て候
とくわたらせ給へと中間を使につかはす彼
使行て門よりかうやうしわんかうやうしわんとよひけれは/n8-35l
坊主おかしき事におもひいやつすつすとそ
こたへける/n8-36r