[[index.html|醒睡笑]] 巻8 頓作
====== 19 法華の沙門と時衆の法師と知音にてとりどり参会ありしが・・・ ======
===== 校訂本文 =====
[[n_sesuisho8-018|<>]]
法華((日蓮宗))の沙門と時衆((時宗))の法師と知音(ちいん)にて、とりどり参会ありしが、いかがはしたりけん、法華の沙門、「このごろ栗毛の馬をもとめたり。一段気に入りて、『時衆栗毛』と名を付けたは」。「何の子細に時衆は出でたぞ」。「とかくこの馬踊りたがる」。
すなはち時衆の法師、「われも四五日以前に葦毛の馬を買うたは。名をば『法華葦毛』と付けたよ」。「いかなれば法華とはいふ」。「とかくかの馬、口がこはさに」。
[[n_sesuisho8-018|<>]]
===== 翻刻 =====
一 法花(ほつけ)の沙門(しやもん)と時衆(ちしう)の法師と知音(ちいん)にてとりとり
参会ありしがいかがはしたりけん法花の
沙門此比栗毛の馬をもとめたり一段気に/n8-10r
入て時衆くりげと名をつけたは何の子細に
時衆は出たぞとかく此馬おとりたがるすなはち
時衆の法師我も四五日已前に葦毛(あしけ)の馬を
かうたは名をは法花葦毛とつけたよいか
なれは法花とはいふとかく彼(かの)馬口がこはさに/n8-10l