[[index.html|醒睡笑]] 巻7 舞 ====== 7 伊勢海老をゆでて赤うなると聞いて朱鑓の柄をも・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== [[n_sesuisho7-113|<>]] 「伊勢海老をゆでて赤うなる」と聞いて、「朱鑓(しゆやり)の柄をもゆでたものぞ(([[:text:sesuisho:n_sesuisho2-033|躻 1]]参照。))」と語る。「海老はまことなり。鑓の柄は朱塗りにて塗りたるものなり」と教ゆる。「そちのが、かたそばよ。鑓の柄の二間・三間あるを、ゆてたが珍しからうことは。それより大きなる京・鎌倉をさへゆでもし、煎りもしたは」。「うつけには薬がない」と笑ひし時、「堀河夜討((舞の本「堀河夜討」))に、『鎌倉をゆでて二十日に都いりとぞ聞こえける((「鎌倉を出でて・・・都入り」を「鎌倉を茹でて・・・都煎り」と思った。))』」 [[n_sesuisho7-113|<>]] ===== 翻刻 ===== 一 伊勢海老(ゑび)をゆでてあかふなるときいて朱   鑓のえをもゆてた物ぞとかたる海老は実(まこと)   也鑓のえは朱塗(しゆぬり)にてぬりたる物なりとをし   ゆるそちのがかたそばよ鑓のえの二間三間   あるをゆてたがめつらしからふ事はそれより大   なる京鎌倉(かまくら)をさへゆでもしいりもしたは   うつけには薬がないとわらひし時堀河夜討(ようち)/n7-54l   にかまくらをゆでて廿日に都入とそ聞えける/n7-55r