[[index.html|醒睡笑]] 巻7 舞 ====== 2 烏帽子折を舞ふとて山路殿が吹く物の名をば何と言ふやらん・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== [[n_sesuisho7-108|<>]] 烏帽子折を舞ふとて、「山路殿(さんろどの)が吹く物の名をば、何と言ふやらん。名をば何と言ふやらむ」と、繰り返しに返し舞へども、つひに横笛出でず。人みな笑止に思ひ、向かうより扇を横たへ、ゆびを押しつ上げつ、笛吹くまねをし教へければ、ちくちくうなづき、合点(がつてん)したる顔にて、あげくに、「ちやるるらと申し候(さう)」と。 [[n_sesuisho7-108|<>]] ===== 翻刻 ===== 一 烏帽子折をまふとて山路(さんろ)殿が吹物の名を   はなにといふやらん名をばなにといふやらむ   とくり返しに返しまへどもつゐに横(よこ)   笛(ふえ)いでず人みな笑止(しやうし)におもひむかふより扇   をよこたへゆびををしつあけつ笛吹(ふえふく)まね/n7-53r   をしをしへけれはちくちくうなづきがつてん   したるかほにてあけくにちやるるらと   申さうと/n7-53l