[[index.html|醒睡笑]] 巻7 謡 ====== 41 信長公へ客あり御膳出づるに・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== [[n_sesuisho7-098|<>]] 信長公((織田信長))へ客あり。御膳出づるに、「これは一段粗相(そさう)なる仕立や」と仰せらるる。折節、連一((杉原連一))候ひて、昔より大名の聞こし召す((「聞こし召す」は底本「こしめす」。諸本により補う。))ものは、粗相なるが本(ほん)と聞こえて、兼平((謡曲「兼平」))に、『口惜しの君の御振舞ひや候ふと申せしに、判官((源義経))これを聞こし召し((兼平「こは口惜しき御諚かな。さすがに木曽殿の、人手にかかり給はん事、末代の御恥辱」。))』と」。 [[n_sesuisho7-098|<>]] ===== 翻刻 ===== 一 信長公へ客(きやく)あり御膳(ぜん)出つるに是は一段そ/n7-49r   さうなる仕立(したて)やと仰らるる折節連一(れんいち)候て   昔より大名のこしめす物はそさうなるか本と   聞えて兼平(かねひら)に口惜の君の御振舞や候   と申せしに判方これをきこしめしと/n7-49l