[[index.html|醒睡笑]] 巻7 謡 ====== 14 楊貴妃を玄宗の后といふはえ知らぬ者の言ふことよ・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== [[n_sesuisho7-071|<>]] 「楊貴妃を玄宗の后(きさき)といふは、え知らぬ者の言ふことよ。惣別(さうべつ)、楊貴妃は熱田から出でられたといふがまことなり」。「長恨歌に、しかと楊玄琰(やうげんえん)が娘、玄宗の后とあるに」。「いや、それはむざとしたることぞ。幸ひ楊貴妃に、ぬしと懺悔して((「して」は底本「し」なし。諸本により補う。))、『われもそのかみは、浄海のせせつたるが((謡曲『楊貴妃』「我もそのかみは、上界の諸仙たるが」の「上界」を「浄海(平清盛)」に、「諸仙」を「せせる(もてあそぶの意)」と誤解したもの。))』と言はれたもの。 [[n_sesuisho7-071|<>]] ===== 翻刻 ===== 一 楊貴妃(やうきひ)を玄宗(けんそう)の后(きさき)といふはえしらぬ者の   いふ事よさうべつやうきひは熱田から出られ   たといふがまこと也長恨(ごん)哥に然と楊玄琰(やうげんえん)   が娘(むすめ)玄宗の后とあるにいやそれはむさと   したる事そ幸楊貴妃にぬしとさんけ   てわれもそのかみは浄海のせせつたるがと/n7-39r   いはれたもの/n7-39l