[[index.html|醒睡笑]] 巻7 いひ損ひはなほらぬ ====== 9 禁中に御能あり狸の腹鼓と狂言にする・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== [[n_sesuisho7-027|<>]] 禁中に御能あり。「狸の腹鼓((狸腹鼓))」と狂言にする。狸が出でけるを、狩人(かりびと)、「なんぢ、何物ぞ」。「われは狸の王なり」と言ふ。「何と、狸の王ぢや。王ならば射殺いてくれうず」と。 あやまつて、一字けがす。恐れても言ひ直さんやうなし((底本この文数文字下げで小書き。))。 [[n_sesuisho7-027|<>]] ===== 翻刻 ===== 一 禁中に御能(のふ)あり狸(たぬき)の腹鼓(はらつつみ)と狂言(けうけん)にする   狸か出けるを狩人(かりひと)なんぢなに物ぞ我れ   は狸の王なりといふなにと狸の王ちや   王ならは射ころいてくれふすと    あやまつて一字けがす恐れてもいひなをさんやうなし/n7-17r