[[index.html|醒睡笑]] 巻7 いひ損ひはなほらぬ ====== 6 後世を大事と願ふ人わが頼む寺に入り剃刀をいただき法名を乞ふに教鸞と・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== [[n_sesuisho7-024|<>]] 後世を大事と願ふ人、わが頼む寺に入り、剃刀(かみそり)をいただき、法名(ほうみやう)を乞ふに、「教鸞(けうらん)」と付けたり。 手を合はせて、「ともかくも任せ参らする身には候へども、うち聞くところ、心乱れ狂気したるやうにこそとりなし候はめ。同じくは、名をかへて賜び候へかし」。「さらば、付け直さん」とて、「鸞行(らんぎやう)」とこそ。 始めのは物狂はしきばかり、後のははてた((底本、この文小書き。))。 [[n_sesuisho7-024|<>]] ===== 翻刻 ===== 一 後世を大事とねがふ人我がたのむ寺に入剃(かみ)   刀(そり)をいただき法名をこふに教鸞(けうらん)とつけた   り手をあはせてともかくもまかせ参らする   身には候へともうちきく処心みたれ狂気(きやうき)   したるやうにこそとりなし候はめ同(おなしく)は   名をかへてたび候へかしさらばつけなをさんとて   鸞行(らんぎやう)とこそ 始のは物くるはしきはかり後のははてた/n7-16r