[[index.html|醒睡笑]] 巻7 思の色を外にいふ ====== 4 一廉なる大名の東堂へ参られけるに・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== [[n_sesuisho7-003|<>]] 一廉(ひとかど)なる大名の、東堂へ参られけるに、対顔(たいがん)の時、さし樽一対・昆布五束(ごそく)を台にすゑて持ち歩(あり)く。あの人体(じんたい)には乏少(ぼくせう)なる時宜や」と心に思はれたるが、「これは御持参」とて披露しける。やにはに、ふと、「乏少」とぞ申されける。 「言葉は心の使ひ」とあり((底本、この行数文字下げで小書き。))。 [[n_sesuisho7-003|<>]] ===== 翻刻 ===== 一 一廉(かど)なる大名の東堂(たうたう)へ参られけるに対顔(たいがん)   の時さし樽一対(つい)昆布(こんふ)五束(そく)を臺にすへて   もちありくあの人体(しんたい)には乏少(ほくせう)なる時宜(じき)やと/n7-5r   心におもはれたるが是は御持参とて披露しけ   るやにはにふと乏少とそ申されける        ことばはこころの使とあり/n7-5l