[[index.html|醒睡笑]] 巻6 うそつき ====== 9 京辺土のことならば幾度も見たが病で知らぬといふ所はなし・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== [[n_sesuisho6-128|<>]] 「京辺土(きやうへんど)のことならば、幾度も見たが病(やまひ)で、知らぬといふ所はなし。世の中の人の見たなど言ふは、白河を夜舟に乗りたるたぐひならん。それがしがやうに見覚えたる者はあるまいと思ふ」。「うらやましや。さて、祇園と清水((清水寺))との間は、いかほどの遠さぞや」と問ふ時、扇に書きたる絵を広げ、「それは一寸ほどあらうまでよ」と。 [[n_sesuisho6-128|<>]] ===== 翻刻 ===== 一 京辺土の事ならは幾度も見たがやまいて   しらぬといふ処はなし世中の人のみたなといふは   白河を夜舟にのりたるたくひならん某か/n6-63l   やうに見覚たる者はあるまいと思ふ浦山   しやさて祇園と清水との間はいかほとのとをさ   そやと問時扇に書たる絵をひろけそれ   は一寸ほとあらふまてよと/n6-64r