[[index.html|醒睡笑]] 巻6 詮ない秘密
====== 7 わが身を謙り何はにつけ卑下する人ある時馬の庭乗りしけるに・・・ ======
===== 校訂本文 =====
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わが身を謙(へりくだ)り、何はにつけ卑下する人、ある時、馬の庭乗りしけるに、「太く、たくましく、足きいて」など、人みな讃めければ((「ければ」は底本「をれは」。諸本により訂正。))、「いや、おのおの御覧ぜらるる片腹は肥えて候へども、御目の参らぬ陰の片腹は、一円痩せて((「痩せて」は底本「やけて」。諸本により訂正。))候ふ」と。
曽我の十郎の馬なりと、片身境(さか)うては痩せまいの。
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===== 翻刻 =====
一 我身を謙なにはにつけ卑下する人ある
時馬の庭乗しけるにふとくたくましく足
きいてなと人みなほめをれはいやをのをの御
覧せらるるかた腹は肥て候へとも御目のま
いらぬかげのかた腹は一円やけて候と
曽我の十郎の馬なりと片身さかふてはやせまいの/n6-40l