[[index.html|醒睡笑]] 巻6 恋のみち ====== 10 七十に近き姥あり似合ひたる者の方へ嫁入りする・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== [[n_sesuisho6-068|<>]] 七十に近き姥(うば)あり。似合ひたる者の方へ嫁入りする。孫なる童(わらは)、牛に乗せて行く道に、さはる荷物のあるを見て、かの孫、牛に声をかけ、「退(の)いて通れ」と言ひけり。姥、これを聞き、「『添ふて通れ』と言はんこそ本意(ほい)ならめ。『退いて』は不吉なり。いやいや今日は行くまい」と嫁入りをやめけるも、興あり。 [[n_sesuisho6-068|<>]] ===== 翻刻 ===== 一 七十にちかきうばありにあひたる者のかたへ   よめ入する孫なるわらは牛にのせてゆく道   にさはる荷物のあるをみて彼孫牛に声を   かけのいてとをれといひけり姥これをききそ   ふてとをれといはんこそほいならめのいては不   吉也いやいやけふはゆくまいとよめ入をやめけるも興あり/n6-34r