[[index.html|醒睡笑]] 巻6 恋のみち
====== 5 亭主の心に女房はよく寝入りたるやと思ひ二階に候ふ下主のもとへ・・・ ======
===== 校訂本文 =====
[[n_sesuisho6-063|<>]]
亭主の心に、「女房はよく寝入りたるや」と思ひ、二階に候ふ下主(げす)のもとへ、そと忍びたれば、妻はよく知りて、火を灯(とぼ)し、あとより上がる。男、着る物をかぶり、座敷の隅にうつぶしになり、かがみけるを、あまりのをかしさに、女房、「ここななりは。そのまま鶉(うづら)のやうに」と言ひしを、男、言葉はなくて、「ちちくはい」と。
図にはづれた鶉であらうよ((底本、この文小書き。))。
[[n_sesuisho6-063|<>]]
===== 翻刻 =====
一 亭主の心に女房はよくねいりたるやとおもひ二
階に候下主の本へそと忍ひたれは妻はよ/n6-32r
くしりて火をとほしあとよりあかる男きる物
をかぶり座敷のすみにうつぶしになりかがみける
をあまりのおかしさに女房ここななりはその
まま鶉のやうにといひしを男ことばはなくてち
ちくはいと つにはつれた鶉てあらふよ/n6-32l