[[index.html|醒睡笑]] 巻6 若道知らず ====== 7 治部卿が児の手を取りいろいろさまざまに言葉を尽せど・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== [[n_sesuisho6-058|<>]] 治部卿((僧の名))が児(ちご)の手を取り、いろいろ、さまざまに言葉を尽せど、ゆめばかりも領状せず。あげくに、児の利口こそをかしけれ。「われが尻は守護不入(しゆごふにふ)なり」と。 時に治部卿、憎さのままの返答に、「それほど結構さうに、なのたまひそ。守護不入の所から、再々夫(ぶ)((「人夫」と屁の音をかけている。))の出たを、われがよく聞き参らせたぞ」と。 [[n_sesuisho6-058|<>]] ===== 翻刻 ===== 一 治部卿が児の手をとりいろいろ様々にことはを/n6-29r   つくせどゆめはかりも領状せすあけくに児   の利口こそおかしけれわれか尻は守護不入   なりと時に治部卿にくさのままの返答にそ   れほと結構さうになのたまひそ守護不入の   ところからさいさい夫のでたをわれかよく   きき参らせたぞと/n6-29l