[[index.html|醒睡笑]] 巻6 若道知らず ====== 6 若き僧一夜の宿を借りけるに十一・二歳なる少人同じ座敷に寝ねたるに・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== [[n_sesuisho6-057|<>]] 若き僧、一夜の宿を借りけるに、十一・二歳なる少人(せうにん)、同じ座敷に寝(い)ねたるに、何事やありけん、亥の時ばかりに、「母(かか)よ、母よ、尻に火かついたは」と、しきりに呼ばはる。「あら悲しや」と急ぎふためき、火を持ち来たり見て、「大事もないぞ。お坊主様の精(せい)が入つて消して給はつたは」。   人はただ十二三より十五六盛り過ぐれは花に山風 [[n_sesuisho6-057|<>]] ===== 翻刻 ===== 一 わかき僧一夜の宿をかりけるに十一二歳なる   少人同座敷にいねたるに何事やありけん亥の   時はかりにかかよかかよ尻に火かついたはとしき   りによははるあらかなしやといそきふためき火を   もち来り見て大事もないぞお坊主様のせいが   いつてけしてたまはつたは    人は唯十二三より十五六    さかり過れは花に山風/n6-29r