[[index.html|醒睡笑]] 巻6 児の噂 ====== 33 斎の座敷にて三位児の膳にあるより欲しくなくと無理に飯をたくさんにお参れ・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== [[n_sesuisho6-032|<>]] 斎(とき)の座敷にて、三位((僧の名))、児(ちご)の膳にあるより、「欲しくなくと、無理に飯をたくさんにお参れ」と指南しければ、児、箸を持ちながら、ひたもの泣く。そばにゐる児、「何とてさやうに候ふや」と尋ねしかば、「飯(めし)をしひて食へと言ふほどに泣く」と。「三位が心づけにてはなきかや」。「いや非時をくれまいということであらうず」と。 [[n_sesuisho6-032|<>]] ===== 翻刻 ===== 一 斎の座敷にて三位児の膳にあるより   ほしくなくとむりに飯をたくさんにおまい/n6-16l   れと指南しけれは児箸をもちなからひた物   なくそはにゐる児なにとてさやうに候やと   たつねしかはめしをしいてくへといふほとに   なくと三位か心つけにてはなきかやいや非時   をくれまいといふ事てあらふすと/n6-17r