[[index.html|醒睡笑]] 巻5 人はそだち ====== 12 手習ふ小姓四五人あり・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== [[n_sesuisho5-078|<>]] 手習ふ小姓、四・五人あり。坊主、「今日は雨のうちものさびしきに、『中絶えて』といふ題にて、腰折れを案ぜよ」とあれば、歌道を心がくる人の子、   梅は過ぎ桜は終えし中絶えて花めづらしききさらぎの末 喝食(かつじき)のありしが、   釈迦は過ぎ弥勒は遅し中絶えて聞くぞまれなる法(のり)の一声 農夫の子  早稲(わせ)は過ぎ晩稲(おくて)は遅し中絶えて米めづらしきふみつきのころ [[n_sesuisho5-078|<>]] ===== 翻刻 ===== 一 手ならふ小姓四五人あり坊主けふは雨の内物   さびしきに中絶てといふ題にてこしおれを   案ぜよとあれは哥道を心がくる人の子    梅は過桜はをえし中絶て     花めつらしき二月のすゑ/n5-57l   喝食のありしか    釈迦(しやか)は過弥勒(みろく)はをそし中絶て     聞そまれなる法の一声   農夫の子    早稲(くせ・ワ)は過晩稲(おくて)はをそし中絶て     米めつらしき七月のころ/n5-58r