[[index.html|醒睡笑]] 巻5 上戸 ====== 16 小機嫌のよき折節懺悔物語をしけるが・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== [[n_sesuisho5-057|<>]] 小機嫌のよき折節、懺悔物語(さんげものがたり)をしけるが、一人言ふやう、「この五体を作る神にても仏にてもあれ、あつらへたいことがあるは」。「何たる望みぞや」。「さればよ、上々の酒を飲む時、しづかに噛み砕き吟味せんとたくめど、いかにも口へ入れば、そのまま喉へざうさもなく走りこむ。あまりに残り多し。鶴類(つるるい)のやうに作りて持ちたい」と。 [[n_sesuisho5-057|<>]] ===== 翻刻 ===== 一 小機嫌(きげん)のよき折節さんげ物がたりをしける   がひとりいふやう此五体をつくる神にても仏   にてもあれあつらへたい事があるはなにたる   望(のそみ)そやさればよ上々の酒をのむ時しづかに   かみくたき吟味せんとたくめどいかにも   口へいればそのままのどへさうさもなくはしり   こむあまりに残多し鶴類(つるるい)のやうに   つくりてもちたいと/n5-45l