[[index.html|醒睡笑]] 巻5 上戸 ====== 13 東堂へ参れば必ず盃出でける・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== [[n_sesuisho5-054|<>]] 東堂へ参れば必ず盃出でける。酌をする小僧、つひに酒を十分につぐことなし。 ある暮方、方丈に参る。案のごとく酒あり。例にならつて、小僧、六・七分盛りたり。客、「遺恨を散ぜん」と、盃を持ちて立ち、燭台のもとにさし上げ、「塵(ちり)がござあるげな」と、明鏡にうかがふ。東堂見給ひ、「やれ、半分あるは」と叱らるる時、「まことに、いつも軽うござあるが」と/n5-44l [[n_sesuisho5-054|<>]] ===== 翻刻 ===== 一 東堂へ参れば必盃出けるしやくをする小僧つ   ゐに酒を十分につぐ事なしある暮方   方丈にまいるあんのことく酒あり例にならつ   て小僧六七分もりたり客(きやく)遺恨(いこん)を散せんと   盃をもちてたち燭臺(しよくだい)のもとにさしあげ   ちりが御座あるげなと明鏡にうかがふ東堂見/n5-44r   給ひやれ半分あるはとしからるる時実にいつ   もかるう御座あるがと/n5-44l