[[index.html|醒睡笑]] 巻5 婲心 ====== 22 博奕の上手二人一度に死して炎王宮に至る・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== [[n_sesuisho5-021|<>]] 博奕(ばくち)の上手、二人一度に死して、炎王宮(えんわうぐう)に至る。青鬼立ちて先に通る者を捕らへんとすれば、「私は弁説なし。お通し候へ。あとなる者、口きいたり。何も御尋ね候へ」と申すにぞ、「さらば、二番の男を捕らへ問はん」とて、赤鬼立寄りたりしを、かの博奕打ち、鬼の尻を、そと知らぬふりしてつめりけり。鬼が言ふ、「ここな人は。昼なるに」と。 鬼も十八といふことあれば、おくゆかしや。((底本この一文数字下げ。)) [[n_sesuisho5-021|<>]] ===== 翻刻 ===== 一 博奕(ばくち)の上手(ず)二人一度に死(し)して炎王宮(えんわうぐう)にいた   る青鬼(あをおに)立て先にとをる者をとらへんとすれば   私は弁説(ぜつ)なしおとをし候へ跡なるもの口(くち)きひ   たりなにも御尋候へと申にぞさらば二番の   男をとらへとはんとて赤(あか)鬼立よりたりしを   彼ばくちうち鬼の尻(しり)をそとしらぬふりして   つめりけり鬼かいふ爰な人は昼(ひる)なるにと     鬼も十八といふ事あれはおくゆかしや/n5-13l