[[index.html|醒睡笑]] 巻4 唯あり ====== 20 大名の前にて座頭のひたもの眠るを見給ひ・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== [[n_sesuisho4-108|<>]] 大名の前にて、座頭のひたもの眠(ねぶ)るを見給ひ、「何の子細にそれほど眠るぞ」とあれば、「昔より『春は蛙(かはづ)が目を借りる』と申し伝へて候ふ。それは、よき目のことに候はんや。われらのやうなる悪しき目をも借り候ふは、よくよく蛙の寄り合ひに、目のはやる子細御座候ふや」と申しける。 [[n_sesuisho4-108|<>]] ===== 翻刻 ===== 一 大名の前にて座頭のひた物ねふるを見/n4-62l   給ひ何の子細にそれほと眠るそとあれ   は昔より春は蛙(かはづ)か目をかりると申伝(つたへ)て候   それはよき目の事に候はんや我らの様なる   あしき目をもかり候はよくよく蛙のより合に   目のはやる子細御座候やと申ける/n4-63r