[[index.html|醒睡笑]] 巻4 そでない合点 ====== 47 酒の出たるを一口飲みてさてさてよき御すいで候ふと讃むる・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== [[n_sesuisho4-088|<>]] 酒の出たるを一口飲みて、「さてさて、よき御(ご)すい((御酔))で候ふ」と讃むる。人みな笑ふ。腹立(ふくりふ)して、「わがものを知らねば、必ず人の金言をえ聞かぬぞや。かやうに良き酒をば、昔より『御すい』といふが、本(ほん)にてあるぞよ」。「それは誰に聞かれたるぞ」。「いや、『楊貴妃((謡曲『楊貴妃』))』に、『まづ天上の五すい((五衰))』とつくつたは」。 [[n_sesuisho4-088|<>]] ===== 翻刻 ===== 一 酒の出たるを一口のみて扨々よき御すいで   候とほむる人みな笑ふ腹立して我か物を   しらねばかならす人の金言をえきかぬぞや   かやうによき酒をは昔より御すいといふか本   にてあるそよそれは誰にきかれたるそいや   楊貴妃に先天上の五すいとつくつたは/n4-54r