[[index.html|醒睡笑]] 巻4 そでない合点 ====== 44 借銭を乞ひにいくたび人をつかはせどもなすことなし・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== [[n_sesuisho4-085|<>]] 借銭(しやくせん)を乞ひに、いくたび人をつかはせども、なすことなし。さらばとて、直(ぢき)に行く。 「これの亭主、道善にあはむ」と言ふ時、亭出でて、「道善は留守に候ふ」と言ふ。「いや、そちは道善ではなきか」。「さて、ここな人は、亭主の道善が直にあひて留守と言ふを、疑はるるかや((「疑はるるかや」は底本「まだかはるるかや」。諸本により訂正。))」と。 [[n_sesuisho4-085|<>]] ===== 翻刻 ===== 一 借銭(しやくせん)を乞(こひ)に幾度(いくたび)人を遣せどもなす事   なしさらはとて直(ちき)に行(ゆく)これの亭主道善(たうぜん)   に逢(あは)むと云時亭出て道善はるすに候と云   いやそちは道善てはなきか扨ここな人は   亭主の道善か直に逢てるすと云をまだ   かはるるかやと/n4-53r