[[index.html|醒睡笑]] 巻4 そでない合点
====== 16 日のある間を昼といひ日の入りて後を夜といふはいかさま子細あらんや・・・ ======
===== 校訂本文 =====
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「日のある間を昼(ひる)といひ、日の入りて後を夜(よる)といふは、いかさま子細あらんや」と思ひ、「われに折角思案(せつかくしあん)し、ていど、し当てたは」と語る。「何と工夫したぞ」。「たとへば、朝になれば、とくから起きて山に行く者もあり、海に浮ぶ者もあり、市に立つあり、奉公に出仕するあり。日の暮るれば、いづれもみなわが宿々に帰り寄るほどに、さてぞ『よる』と言ふなるべし。また、日、東(ひんがし)に輝けば、染屋(そめや)は染めて掛け、塗る者は塗りて干し、汚なき物をも洗ひて干すに、いづれも残らず干(ひ)るほどに、さてなむ『ひる』とはいふものよ」と。
物知らずか労療((底本「療」に「本ノママ」と傍書。))病みか。((底本、この一文、数字下げで小書き。))
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===== 翻刻 =====
一 日のあるあひたを昼といひ日のいりて後/n4-41l
を夜といふはいかさま子細あらんやとおもひ
われに折角(せつかく)思案していとしあてたはと
かたるなにと工夫したぞたとへは朝になれ
はとくからおきて山にゆく者もあり海(うみ)に
うかふ者もあり市にたつあり奉公に出仕
するあり日のくるれはいつれもみな我宿
々にかへりよるほどにさてそよると
いふなるへし又日ひんかしにかかやけばそ
めやはそめてかけぬる者はぬりてほしき/n4-42r
たなき物をもあらいてほすにいつれものこ
らすひるほとにさてなむひるとはいふ物よと
物しらすか労療(本ノママ)やみか/n4-42l