[[index.html|醒睡笑]] 巻4 そでない合点 ====== 9 愚かなる女房の夫に向ひさらさらなきことを言ひ続け妬むことあり・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== [[n_sesuisho4-050|<>]] 愚かなる女房の、夫(おつと)に向ひさらさらなきことを言ひ続け、妬むことあり。何と言ひ含めても聞かず。せん方なさに、「その儀ならば、大なる誓文(せいもん)を立てん」と、扇を持ち座を叩く叩く「下化衆生(けげしゆじやう)して金輪際(こんりんざい)に落つる法もあれ、さうではない」と喚(わめ)きければ、女房まことに思ひ、肝をつぶし、「それやうに恐しいことは言はぬものぢや」と。 [[n_sesuisho4-050|<>]] ===== 翻刻 ===== 一 をろかなる女房の夫(おつと)にむかひさらさらなき   事をいひつつけねたむ事ありなにといひ   ふくめてもきかすせんかたなさに其儀ならは   大なるせいもんをたてんと扇をもち座を   たたくたたく下化衆生(けけしゆしやう)してこんりんさいにお   つる法もあれさうてはないとわめきけれはね   うはうまことにおもひきもをつふしそれやう   におそろしい事はいはぬものしやと/n4-39r