[[index.html|醒睡笑]] 巻3 文の品々 ====== 5 かせ侍のもとより知音の方へ文あり・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== [[n_sesuisho3-070|<>]] かせ侍のもとより知音(ちいん)の方へ文あり。開き見れば、筆たてに日の字ありて、その下に「四・五斗(と)給はり候へ」と書きたり。「何とも合点(がつてん)ゆかぬ」とて、文を返しぬ。 後に見参して、「以前の文のうち、なに用のありつるぞ。つひに読みえずして、本意なき」よし、語られければ、「そなたは随分の人にてあるが、七日の『ぬか((糠))』といふ字さへ見知りあらぬか」と。 [[n_sesuisho3-070|<>]] ===== 翻刻 ===== 一 かせ侍のもとより知音の方へ文有ひらき   見れは筆たてに日の字(じ)ありて其したに   四五斗(ト)たまはり候へとかきたり何ともがつ   てんゆかぬとて文を返しぬ後に見参(ざん)して   以前の文の内なにやうのありつるそつゐに   よみえすしてほいなきよしかたられけれ   はそなたは随分の人にてあるか七日の   ぬかといふ字さへ見しりあらぬかと/n3-32r