[[index.html|醒睡笑]] 巻3 不文字 ====== 33 人集まりゐ語るついで膏梁の美食とて・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== [[n_sesuisho3-051|<>]] 人集まりゐ語るついで、「膏梁(かうりやう)の美食(びしよく)とて、あまり活計(くわつけい)も過ぐれば、脾胃(ひゐ)の虚損(きよそん)となる。されば、『口之所嗜不可随也。(口の嗜む所随ふべからざるなり)』とも書きたるは」と言ふ時、「『膏梁の美食』といふ物を見たことがない」。「肉食(にくじき)のことよ」。「それならば、われらが隣の亭主は、いかい肉食をする人じや」。「して何を食ふぞや」。「毎日餅を七つ八つほどづつ食ふ」。 [[n_sesuisho3-051|<>]] ===== 翻刻 ===== 一 人あつまりゐかたるつゐで膏梁(かうりやう)の美食(びしよく)と   てあまり活計も過れは脾胃の虚損(きよそん)となる   されは口之所嗜不可随也とも書たるはと   いふ時膏梁の美食といふ物を見た事が/n3-23l   ない肉食の事よそれならは我らかとなり   の亭主はいかい肉食(にくぢき)をする人じやして   なにをくふそや毎日餅を七つ八つほとづつ   くふ/n3-24r