[[index.html|醒睡笑]] 巻3 不文字 ====== 18 目医師に出でんとする人銘を書くべきあてもなければ・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== [[n_sesuisho3-036|<>]] 目医師(めくすし)に出でんとする人、銘を書くべきあてもなければ、包み紙を沢山に折りて、人を頼み、みなみな紅梅散(こうばいさん)と書かせ持つ。風眼(ふうがん)にも、うつひにも、一つ銘ばかりうちしゆゑ、あなどり笑ひけるまま、旅宿(りよしゆく)にて銘を頼む。「いかが書かん」と問へば、「牛黄円(ごわうゑん)」と望む。「目の薬には異なものや」と言はれて、「それならば、木香丸(もつかうぐわん)」と所望した。 [[n_sesuisho3-036|<>]] ===== 翻刻 ===== 一 目くすしに出んとする人銘をかくへきあても/n3-17l   なければつつみ紙を沢山(たくさん)に折て人を頼み   みなみな紅梅散(こうばいさん)とかかせもつ風眼(ふうかん)にもうつひ   にも一つ銘(めい)はかりうちし故あなどりわらひ   けるまま旅宿(りよしゆく)にて銘をたのむいかかかかん   ととへば牛黄円(ごわうゑん)とのぞむ目のくすりには   いなものやといはれてそれならは木香丸(もつかうぐわん)と   しよまうした/n3-18r