[[index.html|醒睡笑]] 巻3 不文字 ====== 11 奉公する人の問ふやうはそれがしが頼みたる殿を下野といふ者もあり・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== [[n_sesuisho3-029|<>]] 奉公する人の問ふやうは、「それがしが頼みたる殿を、下野(しもつけ)といふ者もあり、野州(やしう)といふやからもあり。いづれがよいぞや」。「どちも大事なし」と。 大きに合点(がてん)せしが、ある座敷に出でて、しもつけの花の活けたるを見付け、きつと手をつき、「さてさて、この野州はよう活(い)かり参らせたよ」と。 [[n_sesuisho3-029|<>]] ===== 翻刻 ===== 一 奉公する人のとふやうは某がたのみたる殿を   下野といふ者もあり野州(やしう)といふやからも有   いつれがよいそやとちも大事なしと大にかてん   せしかある座敷に出てしもつけの花のいけ   たるを見つけきつと手をつきさてさてこの野   州はよういかりまいらせたよと/n3-15l