[[index.html|醒睡笑]] 巻3 不文字 ====== 8 ある侍中務になられたといふ時百姓ども祝儀とて・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== [[n_sesuisho3-026|<>]] ある侍、中務(なかづかさ)になられたといふ時、百姓ども祝儀とて、料足(れうそく)十疋づつつなぎ集め、礼に持ち出でしを、また二十日ばかり後、訴訟のむねありて、中務に参る。門の傍らに並びゐて聞きければ、客人のわたり候ふが、小姓を呼び出だし、「中書(ちうしよ)((中務の唐名。))は内に御入りあるや」と問はれしを、百姓目まぜし、ささやき言ふ、「中務が、ほどもなきに中書になられたは。南無三宝、また百出でいて、つくばはうずよ」と。 [[n_sesuisho3-026|<>]] ===== 翻刻 ===== 一 ある侍中務(なかつかさ)になられたといふ時百姓共祝義   とて料足(れうそく)十疋つつつなきあつめ礼に持出しを/n3-14r   又廿日はかり後訴訟のむねありて中務に参   る門の傍(かたはら)にならびゐて聞けれは客人(きやくしん)のわ   たり候か小姓をよひ出し中書(ちうしよ)は内に御入ある   やととはれしを百姓目まぜしささやきいふ中   務かほともなきに中書になられたは南無   三宝又百出いてつくばはうずよと/n3-14l