[[index.html|醒睡笑]] 巻3 文字知り顔
====== 19 武士たる人ある神主に向ひそちは神道を心得たるや・・・ ======
===== 校訂本文 =====
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武士たる人、ある神主に向ひ、「そちは神道を心得たるや」。「いな、白張(しらはり)着たるまでに候ふ」。「いたはしや、本来無東西(ほんらいむとうざい)、いづこを南北(なんぼく)といふ大事をも知らいで」と笑はれけれは、神主、「私(わたくし)は、仏歌・神歌・道歌を、ぶつかん、じんかん、道(だう)かんにて、理をすまし参らする」と申す時、かの武士、「それは深いこと。おもしろさうな」と感ぜられたるにて済(す)うだ。
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===== 翻刻 =====
一 武士たる人ある神主(かんぬし)にむかひそちは神道(しんたう)を心得
たるやいな白張(しらはり)きたる迄に候いたはしや本来(ほんらい)/n3-10l
無東西(むとうざい)何処おなんほくといふ大事をもしら
ひでと笑はれけれは神主(かんぬし)私(わたくし)は仏哥神哥道哥
をふつかんじんかん道かんにて理をすまし参ら
すると申時彼(かの)武士それはふかい事おもしろ
さうなと感(かん)せられたるにてすふだ/n3-11r