[[index.html|醒睡笑]] 巻2 吝太郎(しはたらう) ====== 4 家主朝食をくふところへ常に寄り合ふ人来たりぬ・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== [[n_sesuisho2-073|<>]] 家主朝食をくふところへ、常に寄り合ふ人来たりぬ。「何と、飯(めし)は、はや過ぎたるか」と問ふに、「いまだし」。「あらおたのもしや」とてかまはず。また人来る時、「飯は食はれぬか」と問ふ。「はや過ぎたり」と言ふ。「あらお心やすや」。 とかく、くれまいじや。((この一文、底本、改行小書で数文字下げ。)) 君子に三つの費(つひえ)あり。飲食その中にあらず。幼くして学びて、老いて忘るる、これ一つの費。君に功あつて軽く背(そむ)く。これ二つの費。久しく交はりて中絶す。これ三つの費。 [[n_sesuisho2-073|<>]] ===== 翻刻 ===== 一 家主朝食をくふ処へつねによりあふ人来   りぬなにとめしははや過たるかととふに   いまたしあらおたのもしやとてかまはす   又人来る時めしはくはれぬかととふはや過/n2-39l   たりといふあらおこころやすや      とかくくれまいじや   君子に三の費あり飲食其中にあらす   幼して学て老て忘是一つの費君に   功あつて軽背これ二つの費久まじはり   て中絶すこれ三つの費/n2-40r