[[index.html|醒睡笑]] 巻2 躻(うつけ)
====== 35 ある者饂飩の出でたる席にかたのごとく賜はりあげくに言ふ・・・ ======
===== 校訂本文 =====
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ある者、饂飩(うどん)の出でたる席に、かたのごとく賜はり、あげくに言ふ、「方々まで実(み)ばかりを下さるれども、つひにこの花を見たことはござない。こなた((「こなた」は底本「となた」。諸本により訂正。))になうてはあるまい。とてもの思ひ出に見参らせたい」と言ふ。「何事を言ふぞや」と問へば、「誰も知りて申すは、優曇華(うどんげ)の花」と。
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===== 翻刻 =====
一 ある者饂飩の出たる席にかたのことくたま
はりあげくにいふ方々まて実はかりを下さる
れとも終に此花を見た事は御座ないと
なたになうてはあるまいとてもの思出に見
参らせたいといふ何事をいふそやととへは/n2-36l
誰もしりて申はうとんけのはなと/n2-37r