[[index.html|醒睡笑]] 巻2 躻(うつけ) ====== 23 三好中納言殿へ昔甲を持ちて来たり見せ参らせたることあり・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== [[n_sesuisho2-054|<>]] 三好中納言殿((豊臣秀次))へ、昔甲(むかしかぶと)を持ちて来たり、見せ参らせたることあり。「これは異な物や。あまり甲の鉢(はち)大きなり」など褒貶(はうへん)の時、ちと鈍(どん)なる客人、手に取り見て、「さてさて結構にござある。召し置かれてよからん」と申す。「いらぬ物を何にせうぞ」と仰せあれば、「ただ常住甲(じやうぢうかぶと)にさしられよ」と。 [[n_sesuisho2-054|<>]] ===== 翻刻 ===== 一 三好中納言殿へむかし甲をもちて来りみせ   参らせたる事あり是はゐな物やあまり   甲の鉢大なりなど褒貶の時ちととんなる   客人手に取見て扨々けつかうに御座ある/n2-32r   めしをかれてよからんと申いらぬ物をなにに   せうそと仰あれは唯常住甲にさしら   れよと/n2-32l