[[index.html|醒睡笑]] 巻2 躻(うつけ)
====== 20 京の町にて人あまた二階に遊びゐけるが目薬は目薬はといふ声を聞き・・・ ======
===== 校訂本文 =====
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京の町にて、人あまた二階に遊びゐけるが、「目薬は、目薬は」といふ声を聞き、その座にありしうつとり、ふと立ち、「目医師(めくすし)殿」と呼び寄せ、「一さし、それがし申しうけう」と、上瞼(うはまぶた)下瞼を、わが手にて開き待ちけり。
目医師、「それまで届く目棒(めぼう)を持たぬ」。時に手を合はせ、「れうじ((療治・聊爾))を申した」と。
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===== 翻刻 =====
一 京の町にて人あまた二階にあそびゐけるか
目薬は目薬はといふ声をきき其座にありし
うつとりふとたち目くすし殿とよひよせ一
さしそれかし申うけふとうはまふたした
まふたを我か手にてひらきまちけり目
くすしそれまてととく目ほうをもたぬ時に
手をあはせれうしを申たと/n2-31r