[[index.html|醒睡笑]] 巻2 躻(うつけ)
====== 19 蒲生飛騨殿所労すでに一大事なるとて・・・ ======
===== 校訂本文 =====
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蒲生飛騨殿((蒲生氏郷))、所労(しよらう)すでに一大事なるとて、人々集まり気をのみゐたりし中に、うつとり二人、頭(かしら)を合はせささやきけるは、「せめて飛州の寿(ことぶき)三年つつがなかれかし」と歎きけるが、一人言ふ、「良き毒をととのへてあげたいことぢや」。「それは何としたる分別ぞや」。「さればよ。高い毒を飲めば当座に死なず、三年して死ぬといふほどに」。
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===== 翻刻 =====
一 蒲生飛騨殿所労すてに一大事なるとて人々
あつまり気をのみゐたりし中にうつとり
二人かしらをあはせささやきけるはせめて飛
州のことふき三年つつかなかれかしと歎
けるが一人いふよき毒をととのへてあげたい
事ちやそれはなにとしたる分別そやされは
よたかい毒をのめば当座に死なす三年/n2-30l
してしぬといふほどに/n2-31r