[[index.html|醒睡笑]] 巻2 躻(うつけ) ====== 11 金春禅風毎朝の看経怠慢なし・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== [[n_sesuisho2-042|<>]] 金春禅風((金春禅鳳か。))、毎朝の看経(かんきん)怠慢なし。ある朝、艮(うしとら)の方に向ひ、手を合はせ、数珠をもみ、「そのもの、そのもの」とばかりにて、神の名も仏の名もさらに出でざりしかば、そばにある者、「春日大明神かや」。「それそれ、それを春日春日」と。 これは健忘(けんばう)とて、大智の上にもある病なり。あやまりにあらず。されども、時にあたりてはうつとりのやうにて、此部に入る。 [[n_sesuisho2-042|<>]] ===== 翻刻 ===== 一 金春禅風毎朝の看経怠慢なしある朝   艮方にむかひ手を合数珠をもみそのもの   そのものとはかりにて神の名も仏の名も   更に出さりしかはそはにある者春日大明神   かやそれそれ其を春日春日と是は健忘と   て大智の上にもある病也あやまりにあらす/n2-27r   されとも時にあたりてはうつとりのやうにて   此部に入/n2-27l