[[index.html|醒睡笑]] 巻2 躻(うつけ)
====== 9 利根をよそにあづけたる亭主なまじひに小便当にて・・・ ======
===== 校訂本文 =====
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利根をよそにあづけたる亭主、なまじひに小便当(こべんたう)にて、使ふ者のあまたあれども、うつとりにし、朝起きなどする者なし。
ある時、中間(ちうげん)の名を呼ぶまではなく、われは寝てゐながら、「夜はほのぼのとあかさかや((謡曲「熊坂」))」と舞ひければ、内の者聞く聞く、「待てしばし、待てしばし。夜はまだ深きぞ。白むは花の陰なりけり((謡曲「西行桜」))」と。よい返答の。
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===== 翻刻 =====
一 利根をよそにあつけたる亭主なましゐに
こ便当にてつかふ者のあまたあれともうつ/n2-26r
とりにしあさおきなとする者なし有時
中間の名をよふまてはなくわれはねて
ゐなから夜はほのほのとあかさかやと舞
けれは内の者きくきくまてしばしまて
しはし夜はまたふかきぞしらむは花の陰
なりけりとよい返答の/n2-26l