[[index.html|醒睡笑]] 巻2 躻(うつけ) ====== 8 下手なる長談議の席に齢五十に余る女房帷をかづき・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== [[n_sesuisho2-039|<>]] 下手なる長談議の席に、齢(よはひ)五十に余る女房、帷(かたびら)をかづき、聴衆みなみな立ち去れ、つひに一人立たず居たり。 長老、高座より感じて、「讃めん」と思へるとき、かの女房、ただ今目覚めたる顔にて見上げ、「昨日の長老のまだござあるは」と。 うつとりが二人ある。((底本、この行数文字下げて小書き。)) [[n_sesuisho2-039|<>]] ===== 翻刻 ===== 一 下手なる長談議の席によはひ五十に   あまる女房かたひらをかづき聴衆みなみな   たちされつゐに一人たたず居たり   長老高座よりかんじてほめんとおもへる   刻彼女房唯今目さめたるかほにて見   あけ昨日の長老のまた御座あるはと      うつとりがふたりある/n2-26r