[[index.html|醒睡笑]] 巻2 躻(うつけ) ====== 5 ある人風呂に入りてゐけるがにはかに顔の色変り・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== [[n_sesuisho2-036|<>]] ある人、風呂に入りてゐけるが、にはかに顔の色変り、「あら苦しや。船心(ふなごころ)がある」と言うて吐逆(とぎやく)する。「こは何事ぞ。海はなし、船はなし。異な病や」と不審しければ、「さればよ、ただ今これへ入られたる大ひげの男、このほど乗りし船の船頭に、よく似たと思うてあれば、そのまま酔うた」と。 [[n_sesuisho2-036|<>]] ===== 翻刻 ===== 一 ある人風呂に入てゐけるか俄にかほの色かはり   あらくるしやふな心があるといふて吐逆す   るこは何事そ海はなし船はなしゐな病   やとふしんしけれはされはよ只今是   へ入られたる大ひげの男此ほとのりし船の   船頭によくにたとおもふてあれはそのまま   よふたと/n2-24r