[[index.html|醒睡笑]] 巻2 名付け親方
====== 15 才智の足らざるをばかへりみず高慢したる体の者和尚の席に詣でて・・・ ======
===== 校訂本文 =====
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才智の足らざるをばかへりみず、高慢したる体の者、和尚の席に詣でて、しきりに斎名(さいみん)を乞ふ時、「なんぢ、何事ぞ修行底(しゆぎやうてい)の徳功(とくこう)ありや」とのたまへば、「さん候ふ。東坡((蘇軾))・山谷((黄庭堅))のやうにこそあるまじく候へ、およそ((「およそ」は底本「をゝそ」。諸本により訂正。))詩聯句の道には暗からずと申す。和尚、「にくき心」とやおぼしけん、「めでたうは。さらば東坡の坡と、山谷の谷を取り合はせ、坡谷斎((はこくさい。「はこ(糞)臭い」にかけてある。))と呼ばん」となん。
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===== 翻刻 =====
一 才智のたらさるをばかへり見す高慢し
たる体の者和尚の席に詣てしきりに
斎名をこふときなんち何事そ修行底の
徳功ありやとのたまへはさん候東坡山谷の
やうにこそあるましく候へをゝそ詩聯句の
道にはくらからすと申和尚にくき心と
やおほしけんめてたふはさらは東坡の坡と/n2-11r
山谷の谷をとりあはせ坡谷斎とよはんとなん/n2-11l