[[index.html|醒睡笑]] 巻2 名付け親方 ====== 6 かたのごとく人のもてはやす侍ありしがいろはよりほかは・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== [[n_sesuisho2-005|<>]] かたのごとく、人のもてはやす侍ありしが、「いろは」よりほかは、仮名書きの文をさへ読むことなし。 ある時、地下人(ぢげにん)参りて、わが名を変へたきよし望みければ、例のいろはを傍らに置きて、「い兵衛(ひやうゑ)と付けうかや。いや、それならば、ろ兵衛にや付けん。いや、は兵衛・に兵衛・ほ兵衛」と付くれども、「いや、ただいま少し長うて、はねた名を付きたうござある」と申したれば、「さらば、へとち左衛門と付けうず」と言へり。 [[n_sesuisho2-005|<>]] ===== 翻刻 ===== 一 かたのことく人のもてはやす侍ありしがいろ   はよりほかはかなかきの文をさへよむことなし/n2-6r   ある時地下人参りて我か名をかへたきよし   望けれはれいのいろはをかたはらにをきて   いひようへとつけうかやいやそれならはろひようへ   にやつけんいやはひやうへにひやうへほひやうへ   とつくれともいやたたいますこしながうて   はねたなをつきたふ御座あると申たれは   さらはへとち左衛門とつけうすといへり/n2-6l