[[index.html|醒睡笑]] 巻1 祝ひ過ぎるも異なもの
====== 17 こびたる禅門山林に行き暮れて一宿せり・・・ ======
===== 校訂本文 =====
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こびたる禅門、山林に行き暮れて一宿せり。亭坊(ていばう)向顔(かうがん)の後、「その方はいづれの道をか心にかけ給ふや」と問はれ、「打成一片(だじやういつぺん)((「打成一片」は底本「不審片」。注の混入したものか。諸本により訂正。))歌の道に嗜みあり」と。「さあらば、わが身老衰せり。松鶴の齢(よはひ)によそへ、めでたう発句を」とありしに、しばらく案じて後、
この寺の坊主を松につるすかな
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===== 翻刻 =====
一 こびたる禅門山林に行暮て一宿せり亭坊(ていほう)
向顔(かうかん)の後其方はいつれの道をか心にかけ給ふ
やととはれ不審片哥の道に嗜ありとさあ/n1-75r
らは我か身(み)老衰(ろうすい)せり松鶴の齢(よはひ)によそへ目出
たふ発句をとありしに暫(しはらく)案(あん)して後
此寺の坊主を松につるすかな/n1-75l