[[index.html|醒睡笑]] 巻1 祝ひ過ぎるも異なもの
====== 15 春の始めの朝より千秋万歳ともまた鳥追ともいふかや・・・ ======
===== 校訂本文 =====
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春の始めの朝より、千秋万歳(せんずまんざい)とも、また鳥追(とりおひ)ともいふかや、家ごとを歩(あり)きて慶賀を歌ふに、「千町万町の鳥追が参つた」と言うて、ある門の内へ入らんとしければ、戸のわきに子を生みて人に恐るる犬ありしが、ふと向脛(むかすずね)をしたたか食らひけるまま、「あれたのしや」と言ふを、痛さに、「あらかなしや」と。
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===== 翻刻 =====
一 春の始の朝より千秋萬歳とも又鳥追(とりおい)とも
いふかや家毎(いゑごと)をありきて慶賀をうたふに
千町万町の鳥追か参たといふてある門
の内へいらんとしけれは戸のわきに子をうみて
人におそるる犬ありしが不図(ふと)むかうすねを
したたかくらひけるままあれたのしやといふ
をいたさにあらかなしやと/n1-74l