[[index.html|醒睡笑]] 巻1 祝ひ過ぎるも異なもの ====== 8 有馬の湯に入りける者宿主と語るついでに・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== [[n_sesuisho1-139|<>]] 有馬の湯に入りける者、宿主と語るついでに、「鶏は羽音(はねおと)を『ばたばた』として、『とつてかう』と鳴くといふはまことかや」といふ者ありしに、宿主、「いつとよ、有馬の鶏は一向よそのと変はりて、元日の暁より歳(とし)の暮れの夜明けまで、羽音(はをと)を『がさがさ((瘡))』として『かつけかう((脚気))』と鳴くなり」とぞ。 身を思ふから道なきことを。 [[n_sesuisho1-139|<>]] ===== 翻刻 ===== 一 有馬の湯に入ける者宿主とかたるついて   に鶏(にはとり)ははねをとをはたはたとしてとつて   かうとなくといふはまことかやといふ者ありし   に宿主いつとよありまの鶏は一向よそのと   かはりて元日の暁より歳のくれの夜あけ   まてはをとをかさかさとしてかつけかうと/n1-70l   なくなりとそ身をおもふから道なき   事を/n1-71r