[[index.html|醒睡笑]] 巻1 鈍副子 ====== 28 筆者を頼み伊勢物語を写させけるに・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== [[n_sesuisho1-124|<>]] 筆者を頼み伊勢物語を写させけるに、「昔男」といふを仮名に「むし男」と書き、「か」の字を落したり。 主人見付け、「最初の三字の内をさへ落されたるや」と腹立(ふくりふ)する時、かの書き手いはく、「ひたもの書きゆかば、いかほども末にいや字((衍字))の候はんを、足しにつかまつり候はん」と。 [[n_sesuisho1-124|<>]] ===== 翻刻 ===== 一 筆者(ひつしや)を頼(たの)み伊勢物語を写させけるに昔   男と云をかなにむし男とかきかの字を落   したり主人見付最初の三字の内をさへ/n1-59l   おとされたるやと腹立する時彼かきて云ひた   物書ゆかば如何程も末にいや字の候はん   をたしに仕候はんと/n1-60r