[[index.html|醒睡笑]] 巻1 鈍副子 ====== 19 うつけめける亭主の腰まはりへ下衆あやまちに水をこぼしぬ・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== [[n_sesuisho1-115|<>]] うつけめける亭主の腰まはりへ、下衆(げす)あやまちに水をこぼしぬ。はたせずこれを叱る。その申しやう、しきに腹がいたい。 「この水、畳の上なれはこそくるしからね。また、この月が霜月なればこそ大事なけれ。このこぼれ物、水なればこそあれ。もし、畳がわが身で、この月が師走で、この水が油ならば、そもそもよいものか。『師走油はかからぬこと』といふなるに」 [[n_sesuisho1-115|<>]] ===== 翻刻 ===== 一 うつけめける亭主の腰(こし)まはりへ下すあや   まちに水をこほしぬはたせすこれをしかる   其申様しきに腹がいたひ此水たたみの/n1-55l   上なれはこそくるしからね又此月が霜月   なれはこそ大事なけれこのこほれ物水な   れはこそあれ若たたみかわか身て此月か師   走(はす)て此水か油ならはそもそもよい物かしはす   油はかからぬ事といふなるに/n1-56r