[[index.html|醒睡笑]] 巻1 謂へば謂はるる物の由来 ====== 34 月次の連歌にて宗匠たる人朝朗といふ詞をせられたれば・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== [[n_sesuisho1-033|<>]] 月次(つきなみ)の連歌にて、宗匠たる人、朝朗(あさぼらけ)といふ詞(ことば)をせられたれば、「句がら面白し」と、一座みな感ずるを聞きゐて、末座(ばつさ)より、「夕ぼらけ」と五文字を出だすに、宗匠、「あら珍しや」と言はれぬ。また、「その儀ならば、昼ぼらけ」と直しけるを、宗匠、「それはなほ異な詞ぞ」とおつこめたるに、右の作者憂く、「これこれ、   我れはして人のぼらけや嫌ふらん」 [[n_sesuisho1-033|<>]] ===== 翻刻 ===== 一 月次の連哥にて宗匠たる人朝朗と云   詞(ことば)をせられたれは句から面白と一座みなかん   するを聞ゐて末座(ばつさ)より夕ぼらけと五文字を   出すに宗匠あらめつらしやといはれぬ又其儀な   らは昼(ひる)ほらけとなをしけるを宗匠それは   猶いなことはそとおつこめたるに右の作者うく   これこれ我れはして人のほらけやきらふらん/n1-17r