[[index.html|三宝絵詞]] ====== 序 ====== ===== 校訂本文 ===== [[index.html|『三宝絵詞』TOP]] [[ka_sanboe1-01|NEXT>>]] 古(いにしへ)の人の云へることあり。「身を観ずれば岸の額に根を離れたる草。命を論ずれば江の辺(ほとり)に繋がざる船」と。また、「世の中を何に譬(たと)へむ朝まだき漕ぎ行く船の跡の白浪」と云へり。唐(もろこし)にもこの朝にも、物の心を知る人は、かくぞ云へる。いはんや、解(さと)り深く、慈(いつくし)び広くいます仏の御教(みのり)に、「世はみな堅く全からざること、水の沫(あは)・庭水(にはたづみ)・外景(かげろふ)の如し。汝等、ことごとく、正(まさ)に疾(と)く厭ひ離るる心を成すべしと宣(のたま)へり。仏は衆生の父にいます。子の 為に背(うしろ)めたく((「く」は底本一字欠損。文脈により補う))勧め給はむやは((「やは」は底本「や」欠損。文脈により補う))。 天の下((「天」は底本表記「雨」))の人、このことを知れるは多かれど、朝(あした)の露の((「の」は底本欠損。文脈により補う。))かかれるほどを憑(たの)みて、夏虫の燃えて後に悔ゆるはこれ愚かなり。荒き使ひに追はれ、暗き道に向ふ時には、獄率云はく、「汝、人の身を得て、道を行はず成りにき。宝山に入りて手を空しく還るが如し。自(みづか)らの怠りなれば、誰をかは怨みむ」と云ひつつ、責め打つ時、悔ひ悲しぶとも甲斐もなし。 釈迦牟尼仏、隠れ給ひて後、一千九百三十三年に成りにけり。像法(ざうぼふ)の世にあらむこと、遺(のこ)る年幾(いくばく)ならず。憐れ、人の身と成り、仏の教に値(あ)ふこと、梵天の上より垂る糸の、大海の中に有る針を貫かむよりも難(かた)かなれば、徒(いたづら)にこの身を過ぐしては、また行末を憑(たの)むべき時もなし。急ぎて仏を念じ、法を聞き、僧を敬はむこと、ただ近来(このごろ)のみなり。 君見ずや、王舎城(わうしやじやう)の長者の、財(たから)を貯へて、「我が家富めり」と楽しみしが、身終りて、蛇に成りて、古き家倉(いへくら)を守りしを。また見ずや、舎衛国(しやゑこく)の女人の、鏡を見つつ、「我が皃(かほ)吉(よ)し」と慢(ほこ)りしが、命尽きて、虫に成りて、本の尸(しかばね)の頭に住みしを。蛇と成り虫と成らむと、生ける時は念(おも)はざらめど、家を貪(むさぼ)り形を貪りしかば、後身にすなはち成りにき。 爰(ここ)に知りぬ。餝(かざ)れる家□□□□((底本、数文字磨り消し。))も、罪を結びけり。家を出でて仏の国を求むべし。吉き形も惜からず。形を捨てて仏身を願ふべし。今の経に説ける迹(あと)を尋ねて、委(くはし)く仏に成る道を訪(とぶ)らへ。劫を重ね世を積むとも、求めざるは至り難(がた)し。一日片時にても、心を発(おこ)せる((「さば」か。))得べし。たとひ、百千万億の宝塔を立て、八万四千の宝蔵を移し、妙なる宝を貧しき人に分かち施し、生(なま)しき身を割(さ)きて人に与へむをも、勝(すぐ)るとしも説き給はず。ただ一日一夜の出家の功徳、諸(もろもろ)のことの中に比(たぐひ)なし。仏界皆喜び給ひ、魔軍は悉(ことごと)く振ふ。「生死(しやうじ)の海の船、涅槃(ねはん)の山の粮(かて)なり」と讃め給へり。 これにより、波羅門(ばらもん)、しばしのほど酔(ゑ)ひて僧の形に成りしかば、この故(ゆゑ)に、後に法を聞き、蓮花色(れんげしき)((蓮華色比丘尼))が戯れに尼の衣を服(き)けるは、その力に、今仏に遇ひ奉れり。酔ひの迷ひ、戯れの衣なりしだに、善根つひに空からざりければ、賢心・実志なるは功徳いよいよ量り難し。 あな貴(たふ)と、吾(わが)冷泉院太上天皇((冷泉天皇))の二人((第二子))に当たり給ふ女御子(をんなみこ)((尊子内親王))、春の花、皃(かたち)を恥ぢ、寒き松音(こゑ)を譲り、九重の宮に撰ばれ入れり給へりしかど、五つの濁りの世を厭(いと)ひ離れ給へり。彼の勝鬘(しようまん)((勝鬘夫人))は波斯匿王(はしのくわう)の女(むすめ)なり。心を発(おこ)せること人も教へず。有相(うさう)((有相夫人))は宇陀羨王(うだせんわう)((底本「羨」の左に「キ」右に「セム」と傍書。))の后なり。髪を剃りしこと、誰かまた進めし。 貴き家より生まれ、重き位に備はりたしかど、蓮の花に宿らむは、芳しき契りなれな、怱(いそ)ぎ法の種を植ゑ、月の輪に入らむは高き思ひなれば、強ひて戒(いむこと)の光を受けてき。今を見て古(いにしへ)を思へば、時は異(こと)にて事(こと)は同じ。玉の簾(すだれ)、錦の帳(とばり)は本の御住まひながら、花の露、香の煙は今の御怱(いそ)ぎに成りにたり。 しかれども、なほ春の日遅く晩(く)る。林に鳴く鶯の音しづかに、秋の夜明し難し。壁にそむけたる灯(ともしび)の景(かげ)、かすかなる折あるに、碁はこれ日を送る戯れなれど、勝ち負けの営みあぢきなし((底本「営ミ太身無端し」に「阿知木無シ」と傍書。さらに「阿知木」に「アチキ」と傍書))。琴は復た夜を通す友なれど、音にめづる思ひ発(お)こりぬべし。また物語と云ひて、女の御心をやる物なり。おほあらきのもりの草よりも繁く、荒磯海(ありそみ)((底本「アリソミ」に「有ソ海」と傍書。))の浜の真砂(まさご)よりも多かれど、木・草・山・川・鳥・獣・魚・虫など名付けたるは、もの言はぬ物にものを言はせ、情けなき物に情けを付けたるは、ただ海(あま)の浮木(うきぎ)の浮かべたることをのみいひながし、沢の真菰(まこも)((「真菰」は底本「末己毛」に「間薦」と傍書。))の誠(まこと)となる詞(ことば)をば結び置かずして、『伊加乎女(いがをめ)((底本「伊賀ノ太乎女イ」と異本注記。))』・『土佐のおとど((底本「おとど」に「大殿」と傍書。))』・『いまめきの中将((底本「いまめき」に「今様ノイ」と異本注記))』・『なかゐの侍従((底本「なかゐ」は「奈加為」に「中居」と傍書。以上、散逸物語の題名と思われる。))』など云へるは、男女などに寄せつつ、花や蝶やといへれば((底本「ば」に「トイ」と異本注記。))、罪の根、言葉((「言葉」は底本表記「事葉」))の林につゆの御心もとどまらじ。「何をもつてか、貴き御心ばへをもはげまし、静かなる御心をもなぐさむべき」と思ふに、昔、龍樹菩薩(りうじゆぼさつ)の禅陀迦王(ぜんだかわう)を教へたる偈(げ)に云はく、「もし、絵にかけるを見ても、人の言はむを聞きても、あるいは経と書(ふみ)とに随ひて、みづから悟り念(おも)へ」と云へり。 これによりて、あまたの貴きことを絵にかかせ、また経と文(ふみ)との文(もん)を加へ副へて、奉らしむ。その名を三宝と云ふことは、伝へいはむ者に、三帰(さんき)の縁を結ばしむとなり。その数を三巻に分かてることは、三時の暇(ひま)に当てたるなり。初めの巻は、昔の仏の行ひ給へることを明かす。種々(くさぐさ)の経より出でたり。中の巻は、中ごろ、法のここに広まることを書す。家々の文より撰べり。後の巻は、今の僧をもつて勤むる事を、正月より十二月に至るまでの所々(ところどころ)の態(わざ)を尋ねたり。その初めに、各(おのおの)の趣を宣(の)べ、その奥に、また徳を讃めたり。惣(すべて)て((底本「惣て」に「凡そ」と傍注。))仏法僧を顕(あらは)せば、初めも善(よ)く、中(なか)も善く、後も善し。在りとし在らむ所の所には、まさに三宝いまして守り給ふべし。 参河権守源為憲(みなもとのためのり)は、恩をいただけること山よりも重く、志を懐(いだ)けること海よりも深き宮人なり。若くして文の道に遊びて、一枝の桂をば折てき。老いて法(のり)の門(かど)に入りて、九つの品(ほん)の蓮(はちす)を願ふ。内外(うちそと)の道を見給ふるに、心は恩の為に仕(つか)はれ、仏の種子は縁より起こりければ、丁寧(ねむごろ)に功徳の林の言の葉((「言は底本表記「事」。))を書き集め、深く菩提の樹の善(よ)き根を写し奉るに、心の緒は玉づさの上に乱れ、涙の雨は水茎(みづぐき)の本(もと)に流る。願はくは、この志をもつて、また後の世にも導かれ奉らむこと((「導かれ奉らむこと」は底本表記「被引導奉らむ事」))、喩へばなほ浄飯王(じやうぼんわう)の御子((釈迦))の仏に成り給へりし時、古くより仕(つか)まつれる憍陳如(けうちんによ)が、まづ人より先に度されしがごとくならむ。 時に永観二年(ふたとせ)中の冬なり。 [[index.html|『隆房集』TOP]] [[ka_sanboe1-01|NEXT>>]] ===== 翻刻 ===== 古ノ人ノ云ル事有身観ハ岸額ニ根離ル草命論ハ 江辺不繋船ト又世中ヲ何譬ム朝未多木己幾(マタキコキ)行 船ノ跡ノ白浪ト云リ唐ニモ此朝ニモ物ノ心ヲ知人ハ加久(カク) 曽(ソ)云(イヘ)ル況解(サトリ)深(フカク)慈ヒ広ク伊坐(イマ)ス仏御教(ミノリ)ニ世ハ皆(ミナ)堅ク 不全ル事水ノ沫(アハ)庭水(ニハタツミ)外景(カケロフ)ノ如シ汝等悉ク正ニ疾(トク)厭ヒ 離ルル心ヲ可成ト宣ヘリ仏ハ衆生ノ父ニ伊坐ス子ノ 為ニ背(ウシロ)メタ□勧給ハム□ハ雨(ノ)下(シタ)ノ人此事ヲ知レルハ多カレト/n1-4l・e1-2l https://dl.ndl.go.jp/pid/1145957/1/4 朝ノ露□係レル程ヲ憑テ夏虫ノ燃テ後ニ悔ルハ是愚 也荒キ使ニ追(ヲハ)レ暗キ道ニ向時ニハ獄率云ク汝人ノ身ヲ 得テ道ヲ不行ス成ニキ入宝山ニ空手ヲ還カ如シ自ノ怠ナレハ 誰ヲカハ怨ムト云ツツ責打時悔悲トモ甲斐モ無シ尺迦牟尼仏 隠給ヒテ後一千九百卅三年ニ成ニケリ像法ノ世ニ有ム事遺(ノコル)年 不幾憐(アハレ)人ノ身ト成リ仏ノ教ニ値事梵天ノ上ヨリ垂ル糸ノ 大海ノ中ニ有ル針ヲ貫ムヨリモ難(カタ)カナレハ徒此身ヲ過テハ又行末ヲ 可憑時モ無シ急(イソキ)テ仏ヲ念法ヲ聞僧ヲ敬ム事只近来(コノコロ)耳(ノミナリ)/n1-5r・e1-3r 君不見ヤ王舎城ノ長者ノ財ヲ貯ヘテ我家冨リト楽シカ身終リテ 蛇ニ成テ古家倉ヲ守シヲ又不見ヤ舎衛国ノ女人ノ鏡ヲ見ツツ我 皃吉ト慢(ホ)コリシカ命尽テ虫ニ成テ本尸ノ頭ニ住シヲ蛇ト成虫ト成ムト 生ケル時ハ不念メト家ヲ貪(ムサホ)リ形ヲ貪カハ後身ニ即成ニキ爰知ヌ餝レル家 □□□□モ罪ヲ結ケリ家出テテ仏国ヲ可求吉形モ不惜形ヲ 捨テテ仏身ヲ可願今ノ経ニ説ル迹ヲ尋テ委ク仏ニ成ル道ヲ訪ヘ 劫ヲ重世ヲ積ムトモ不求ハ至リ難カタシ一日片時ニテモ心ヲ発セル可得縦百 千万億ノ宝塔ヲ立八万四千宝蔵ヲ移シ妙ル宝ヲ貧キ人ニ分施シ 生ナマシキ身ヲ割テ人ニ与ヘムヲモ勝トシモ不説給只一日一夜ノ出家ノ功徳/n1-5l・e1-3l https://dl.ndl.go.jp/pid/1145957/1/5 諸ノ事ノ中ニ無比仏界皆喜給ヒ魔軍ハ悉振フ生死海ノ船涅槃ノ 山粮也ト讃給ヘリ因茲波羅門暫程酔テ僧形ニ成カハ此故ニ後ニ法 ヲ聞キ蓮花色カ戯ニ尼ノ衣ヲ服ケルハ其力ニ今仏ニ奉遇レリ酔ノ迷 ヒ戯ノ衣成シタニ善根遂不空ケレハ賢心実志ナルハ功徳弥難量シ 穴貴ト吾冷泉院太上天皇ノ二人ニ当リ給フ女ナ御子春ノ花皃 チヲ恥寒キ松音ヲ譲リ九重ヘノ宮ニ撰レ入リ給ヘリシカト五ノ濁ノ世ヲ 厭ヒ離給ヘリ彼勝鬘ハ波斯匿王ノ女スメ也心ヲ発セル事 人モ不教有相ハ宇陀羨(キ/セム)王ノ后也髪ヲ剃シ事 誰又進メシ貴トキ家ヨリ生レ重キ位ニ備ハリタシカト蓮ノ/n1-6r・e1-4r 花ニ宿ラムハ芳シキ契リナレハ怱キ法ノ種ヲウヘ月ノ輪ニ 入ムハ高キ思ヒナレハ強ヒテ戒ノ光ヲ受テキ今ヲ見テ古 ヲオモヘハ時ハ異ニテ事ハ同シ玉ノスタレ錦ノ帳ハ本ノ御 スマヒナカラ花ノツユ香ノ煙ハ今ノ御怱キニ成ニタリ然而トモ ナヲ春ノ日遅ク晩ル林ニ鳴鶯ノ音シツカニ秋ノ夜難明シ カヘニソムケタル燈景カスカナル折リ有ニ碁ハコレ日ヲ送ル 戯ナレト勝チ負ケノ営ミ太身無端シ(阿知木(アチキ)無シ)琴ハ復夜ヲ通ス友 ナレト音ニメツル思ヒ発ヌ可シ又物ノ語ト云テ女ノ御心ヲヤル 物(也)オホアラキノモリノ草ヨリモシケクアリソミ(有ソ海)ノハマノマサコ/n1-6l・e1-4l https://dl.ndl.go.jp/pid/1145957/1/6 ヨリモ多カレト木草山川鳥獣モノ魚虫ナト名付タルハ物 イハヌ物ニ物ヲイハセナサケナキ物ニナサケヲ付タルハ只海アマノ 浮木(ウキキ)ノ浮ヘタル事ヲノミイヒナカシ沢ノ末己毛(間薦)ノ誠トナル 詞ヲハムスヒオカス(不結置ス)シテ伊加乎女(伊賀ノ太乎女イ)土佐ノオトト(大殿)イマメキノ(今様ノイ)中将 奈加為(中居)ノ侍従ナト云ヘルハ男女ナトニ寄ツツ花ヤ蝶ヤト イヘレハ(トイ)罪ノ根事葉ノ林ニ露ノ御心モトトマラシナニヲ 以カ貴キ御心ハヘヲモハケマシシツカナル御心ヲモナクサムヘキト 思フニ昔シ龍樹菩薩ノ禅陀迦王ヲオシヘタル偈ニ云クモシ 絵ニカケルヲ見テモ人ノイハムヲ聞テモ或ハ経ト書ミトニ/n1-7r・e1-5r 随テ自ラ悟リ念ヘト云ヘリ此レニヨリテアマタノ貴キ事ヲ 絵ニカカセ又経ト文トノ文ヲ加ヘ副ヘテ令奉(タテマツラ)ム其名ヲ三 宝ト云事ハツタヘイハム物(者)ニ三帰ノ縁ヲ令結ムトナリ其数ヲ三巻 ニ分テル事ハ三時ノヒマニアテタルナリ初ノ巻ハ昔ノ仏ノ行ヒ 給ヘル事ヲ明ス種々ノ経ヨリ出タリ中ノ巻ハ中来(コロ)法ノココニ ヒロマル事ヲ書ス家々ノ文ヨリ撰ヘリ後ノ巻ハ今ノ僧ヲ以テ 勤ル事ヲ正月ヨリ十二月ニ至ルマテノ所々ノ態(ワサ)ヲ尋タリ其ノ 初ニ各ノ趣ヲ宣ヘ其奥ニ又徳ヲ讃タリ惣テ(凡ソ)仏法僧ヲ顕セハ 初モ善ク中カモ善ク後モ善シ在トシ在ラム所ノ所ニハ当ニ/n1-7l・e1-5l https://dl.ndl.go.jp/pid/1145957/1/7 三宝伊坐シテ可守給参河権守源為憲ハ恩ヲイタタケルコト 山ヨリモ重ク志ヲ懐ケル事海ヨリモ深キ宮人也リ若クシテ 文ノ道ニ遊テ一枝ノ桂ヲハ折テキ老テ法ノ門ニ入リテ九ノ 品ノ蓮スヲ願フ内外トノ道ヲ見給フルニ心ハ恩ノ為ニ仕ハレ 仏ノ種子ハ縁ヨリ起リケレハ丁寧ロニ功徳ノ林ノ事ノ葉ヲ書キ 集メ深ク菩提ノ樹ノ善キ根ヲ写シ奉ルニ心ノ緒ハ玉ツサ ノ上ニ乱レ涙ノ雨ハ水クキノ本ニ流ル願ハ此ノ志ヲ以テ又 後ノ世ニモ被引導奉ラム事喩ヘハ猶浄飯王ノ御子ノ仏ニ 成リ給ヘリシ時キ古ルクヨリ仕(ツカ)マツレル憍陳如カ先ツ人(ヒ)トヨリ先キニ/n1-8r・e1-6r 被度シカ如奈良无(□□ム)于時永観二タ年セ中ノ冬ナリ/n1-8l・e1-6l https://dl.ndl.go.jp/pid/1145957/1/8