[[index.html|伊勢物語]] ====== 第27段 昔男女のもとに一夜行きてまたも行かずなりにければ・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== [[sag_ise026|<>]] 昔、男、女のもとに一夜(ひとよ)行(い)きて、またも行(い)かずなりにければ、女の、手洗ふ所に貫簀(ぬきす)をうちやりて、盥(たらひ)の影に見えけるを、みづから、   わればかり物思ふ人はまたもあらじと思へば水の下にもありけり と詠むを、来ざりける男、立ち聞きて、   水口(みなくち)にわれや見ゆらむ蛙(かはづ)さへ水の下にて諸声(もろごゑ)に鳴く [[sag_ise026|<>]] ===== 挿絵 ===== {{:text:ise:isepic22.jpg}} ===== 翻刻 ===== 昔おとこ女のもとにひと夜いきて又もい/s42l https://kokusho.nijl.ac.jp/biblio/200024817/42?ln=ja かすなりにけれは女のてあらふ所に ぬきすをうちやりてたらひのかけに見え けるをみつから   われはかり物思ふ人はまたもあらし   とおもへは水のしたにもありけり とよむをこさりけるおとこたちききて   みなくちに我や見ゆらむかはつさへ   水のしたにてもろこゑになく/s43r 【絵】/s43l https://kokusho.nijl.ac.jp/biblio/200024817/43?ln=ja